ユーロ2024
皆さんユーロ2024を見ていますか?
6/15に開幕したユーロ2024も残すところ7/15の決勝だけになりました。
私はwowowを契約して、この一か月間、録画して見るという生活を繰りかえして主要な試合はほとんどチェックしました。 毎度のことながら今年のユーロは面白かったですね。
今回はユーロ決勝までの感想や決勝戦の展望を書いていきたいと思います。
決勝まで見てきて面白かった国
・まずは開催国のドイツ
開催国なので開幕戦を戦ったのですが、「強いドイツが帰ってきた」というのを証明するのにふさわしい試合でした。クロースの復帰が大きいのは言うまでもないのですが、賞賛に値するのは、ここまで立て直したナーゲルスマン監督でしょう。前任のフリック監督がダメだったかというと結果こそダメでしたが、優秀な監督であることはバイエルンの黄金期を築いた監督なので間違いないでしょう。ここがクラブチームと代表監督の違いであり難しいところで、1年2年とかけてチームを作っていくクラブチームの監督と違い、代表監督は練習時間や試合数も圧倒的に少ないので、即効性が求められます。ですので、もしかしたらフリック監督は複雑な戦術やチームの約束事を作りすぎてしまったんじゃないかな?と勝手に予想しているのです……(笑)つまりは、選手の理解度の範疇を超えたことをやりすぎてしまったのではと。
かわって、ナーゲルスマン監督はもう少し戦術や決まり事をシンプルにしたんじゃないかなと思っています。新生ドイツで特徴的だったのが、戦術なのか選手が好んでやっていたのかはわかりませんが、ボランチのクロースが左センターバックの脇に落ちてきてビルドアップしていくという部分だと思います。
これによって4バックのビルドアップでよくありがちな(日本代表でもよくある)サイドバックにわたった時にパスコースがなく詰まって奪われたり、縦のウイングやフォワードに裏抜けのフィードを蹴って弾かれるといった現象を軽減できていました。
つまり、ビルドアップ時の保険のような役割を果たせていたと感じました。
他にも触れたい部分はありますが、一旦ここで別の国に移りたいと思います。
・伏兵だったスイス
今回のスイスの躍進は僕の中ではかなりのサプライズでした。
僕が今大会、初めてスイスの試合を見たのが、好調なスタートをきったドイツとグループステージの第三戦で戦った試合でした。
まず初めの印象としては「プレッシングが早いなぁ」という印象でした。それでも、プレス回避できていたドイツの完成度の高さと選手の質は素晴らしいのですが・・・・・・とにもかくにも早いプレッシングは僕個人としては勝率を上げるうえで超大事な要素なので、着目していなかったスイスに興味を持ちはじめました。
それとドイツがスイスの中盤の選手のマークを付け切れていない時が見られました。好調な発進で完成度の高いドイツにしては珍しい現象だなと感じたのです。理由は後々の決勝トーナメントのイタリア戦か次のイングランド戦のどちらかで解説の方が説明してくれたので理解したのですが(wowowの解説者はまともなことを言っている解説者がいる印象) スイスは3バックの2ウイングバックなのですがこの2ウイングバックが内側に入ってきてビルドアップや攻撃に参加しているというのが理由でした。
クラブチームのリーグ戦などでは4バックのサイドバックが内側に入ったりする偽サイドバックといった戦術を使っていたチームはありますが、偽ウイングバックは珍しいんじゃないかと。
それに長きにわたるリーグ戦だと対策やそもそもピッチ内でうまく対応していくチームがいそうですが、今回は戦うのは基本的に1回ぽっきりの大会。ましてや代表チームとなってくるとクラブチームに比べて当然チームとして対応力は落ちてしまいます。
そんな中で、偽ウイングバックといった突飛な動きをされると相手チームはマークをつけきれないという現象が起こってしまうのです。
マークをつけきれない、フリーな相手選手がいるというのはプロの国際大会レベル、さらにユーロといった最高レベルに出ている選手たちがフリーともなると相手チームとしては致命傷!
前回大会優勝のイタリアはベスト16でまさに何もできずにスイスに敗退しました。
ベスト8ではイングランドが思い切って3バックにしたことと、選手の個の力によって、惜しくもイングランドに負けたスイスですがチームとしての完成度や熟練度はスイスが勝っていた印象でした。
ワンダフルなチームをつくりあげたヤキン監督や選手たちには拍手です!
・タレント力がすごいイングランド
最後にイングランド。実は大会が始まるにあたって優勝予想 兼 優勝してほしい国として私が挙げていたのがイングランドだったのです。まぁ理由はいくつかあるのですが、昔ウイニングイレブンでよく使っていたチームであること。 監督のサウスゲイトが横にいるスタッフとひそひそ話をいつもしているのが気になる点(笑) そして、何よりこの素晴らしいメンツがチームとして機能した時に物凄いモノが見れるんじゃないか?という期待感からでした。
ブンデスリーグの得点王ケイン プレミアリーグMVPフォーデン スペインリーグMVPベリンガム
大活躍の サカ ライス パーマー ワトキンス…… キリが無いくらいタレントが揃っています。
ただ、いざ大会が始まって初戦を見てみると……「あれ? なんだか思っていたのと違う」と私だけでなくサッカーファンの方々は皆一様に思ったはずです。
とくに左サイドバックの選手が少ないことには疑問をもちました。結果、右利きながらもサイドバックにコンバートされたトリッピアーがやり難そうにプレーすることに。
ビルドアップもチームとしてあまり動きが決まっていないのか、立ち位置や配置の微妙な悪さからスムーズではない印象でした。
そして、もう一つ私が気になったのは前線のプレッシング。特にケインがプレスをサボっているのか、そもそも免除されているのかわかりませんが、パスコースをやんわり切るだけにとどまっているのが気になりました。ベリンガムがコースを切ってプレスをかけた後の次のパスコースに誰もプレスしていなくてベリンガムがフラストレーションをためる。といったシーンがよく目につきました。前線からのプレスが効いてくると、後ろにボール奪取や回収が上手なライスなどがいて、なおかつ破壊力のある前線がいる。絶好のショートカウンターチャンスを作り出せそうなだけに残念でした。
とはいえ、ベスト8のスイス戦で思い切った3バックにしたことで状況は少し好転しました。
ウイングバックが幅をとれるので、内側のトップ下に位置するフォーデンやベリンガムが降りてきて間受けできるというシーンも見ることが出来ました。付け焼刃の3バックなので完成度は高くないですが、守備に関しては、もともと守備時のマークなどは安定していたこともあってかバランスはうまく保てている印象。あと、サカがこんなにも優秀な選手だったことに驚きました。もともとスーパープレイヤーなのは間違いないのですが、適応力の高さに驚きました。サウスゲート監督はサカに感謝すべきかと(笑)
しかし、前線のプレッシングの部分ではあまり変わっていないのでそこに関しては私の中ではクエスチョンマークなのです。
そんなイングランド代表のこれまでの試合はなんで面白いかというと、戦術やチームの完成度をみて楽しむっていう面白さも多少はありましたが、突出すべきはドラマチックな試合展開と選手の質やスーパープレイです。正直イングランドは実質ベスト16、ベスト8で負けていたといっても過言ではありませんでした。しかし、選手個人のスーパープレーでゴールをこじ開けてきました。
チームとしては3バックになってから徐々には良くはなってきているので期待したいです。
決勝まで勝ち進んだのはスペインとイングランド
決勝だけでなくベスト4もそうですが優勝オッズが高かった国たちが結局かちあがった印象でした。
チームとしての完成度っていうよりも、選手の質や能力。特にディフェンダーの安定度が影響したような感じでしょうか? 結果部分にフォーカスするととどのつまりでの選手の能力が反映された大会だったかなと。
決勝に進んだスペインはチームとして完成されているイメージが強いですが、もっと完成度が高いチームをつくれたんじゃないかと思ってます。どちらかというと監督やチームにおける戦術より選手の質がチームの強さの核なのだと。
私が個人的に思うのはモラタによるワントップよりもダニオルモやそのほかの選手によるゼロトップの方がスペインには合っている気がするのです。かつてのスペインに比べて前線のウイングに突破力のあるニコやヤマルがいるので、昔ほどジリジリ押し込んでいくサッカーでは無いかもしれませんが、それでも大抵はボールを保持して押し込む展開が多いはずです。
モラタはいい選手なのでしょうが、狭いスペースをうまく使ったり、降りてきて間受けして起点になるといったことが得意な選手には思えないのです。
そもそも、所属するアトレチコマドリーもスペインのようなチームではなく、モラタも裏抜けやポストプレーがしやすいはずなのです。過去所属したユーべだってそうであったはずです。
4年前のユーロでスペインはダニオルモを使ったゼロトップを採用した試合がありましたが非常に強力だったのを覚えています。強力というより凶悪(笑)スペインにはそんなポテンシャルがあると思っています。スペインがオルモのゼロトップにしたら決勝戦はイングランドよりスペインを応援したくなるほどワクワクするのです。
ただ、決勝戦に関してまだ読めないところはイングランドも今大会、結構保持しつつ押し込んでいる試合が多い印象。逆にイングランドに押し込まれた後にうまくボールを奪った後のカウンターに関してはモラタが活きてくる可能性も考えられるので結果オーライなんて展開も考えられるのですが・・・・・・それはゼロトップを推している私からすると嫌な結果ですね(笑)
決勝の注目したい部分
まずは、イングランドのフォーメーション。
普通に考えると3バックでいくと思うのですが、良くも悪くもサウスゲート。やっぱり4バックなんてケースも低確率ながらあるのではないかと。特にルークショーといったレフティーのサイドバックが復帰したので。
一方、おそらくスペインは変わらずだと思われるので、イングランドのフォーメーションによるかみ合わせは注目したい部分です。 イングランドの修正なしでグループリーグと同じ4バックによる自爆劇だけは見たくないです(笑)
次にマークのかみ合わせの部分
3バックのイングランドが攻めている時にフォーデンがおそらく内側で落ちてきて間受けしようとする。ベリンガムも同じく。これをいったい誰がマークするのか?そして二人をマークした後のイングランド中盤のメイヌーやライスが攻撃参加してきた時に誰が捕まえるのか?まずここを上手くマークできないとスペインはイングランドにチャンスを作らせることになると思う。
あとは、サイドの部分でイングランドが右側のサカから起点をつくって逆サイドにボールが流れた時にイングランドの左ウイングバックのトリッピアーもしくはルークショーがフリーになると思うのですがこれをスペインは右サイドのヤマルが戻るのか?カルバハルが対応するのか?こういった部分のスペインの守備時のマークの受け渡しが機能するのか?が初めに注目したい部分。
同様にイングランドの守備時もそうなのですが、スペインよりもマークは難しくないような気がしています。ニコとヤマルの両サイドにはウイングバックが対応して、遅れた場合は3バックの一人が対応。
中盤も基本的にカウンターやウイングバックの戻り遅れなどが無い限り(サカとトリッピアーは今のところ戻り遅れは無さそう)数的不利になることは考えずらいです。
ただ、イングランドが気をつけないといけない部分は私的に2つあります。まずは、トップ下で出てくるであろうダニオルモ。
ディフェンスと中盤の間で間受けしたり、飛び込みが秀逸な選手なので「あっ!」って思ったときにはマークを剝がされているという現象には気を付けるべきだと思う。
もう一つは、ロドリ。押し込まれた後のこの選手の立ち位置とミドルシュートは結構ヤバイ。
おそらくロドリがミドルを打つ時にブロックするであろう選手はライスかメイヌー(先発なら)あたり。シュートブロックに出遅れたり、誤ってハンドをとられると決定的になりかねないのでイングランドは注意すべき部分だと思う。
3つ目はイングランド右サイドのサカとスペイン左サイドのククレジャのマッチアップ。
間違いなく攻撃時のイングランド右サイドはストロングポイント。サカの突破力やシュート、クロスはスペインにとって脅威のはずです。 対するククレジャは見た目に反して堅実な印象(笑)あの手のヘアースタイルの選手は攻撃特化型のサイドバックかと思いきや、結構献身的な守備を行う選手でした。
所属するクラブチームではどうか知りませんが、今大会では堅実なイメージ。
このククレジャがサカをどう防ぐのか?ここのマッチアップは試合における重要ポイントなのは間違いありません。
最後は戦術とかというより・・・・・・ハリー・ケインの動き?というかやる気?というかハリー・ケイン自身です。
今大会、おそらく走行距離がめちゃくちゃ低いんじゃないかと思われるケイン。
裏にぬけるわけでもなく、降りてきてビルドアップもあまりしない。中途半端なイメージです。
あと、サイドでサカが崩した時になぜかゴール前に入ってきていないというシーンもありました。
なにより気になるのが前述したプレッシング。全般的にやる気がちょっと低いように見えるのです。
攻撃時に降りてきて攻撃の起点になったり、前線のプレスでチームを助けたり、ゴール前でフィニッシュワークしたり、おとりになったり・・・・・・できることは沢山ありそうなだけに現状は残念なのです。
それでも3得点している部分は流石なのですが、もっと出来る選手ではないかと。
まぁユーロ自体が本来ならオフシーズンなのでそのあたりやケガのリスクも関係しているのかもしれませんが、残すは決勝戦のみでキャプテンという事を考えると決勝でのケインの調子は戦況を左右する要因に思えて仕方ないのです。
最後に
いよいよ今日の夜中というか明日の早朝に始まるユーロ2024決勝戦!!
私は映画館のパブリックビューで観戦するので、ある意味眠気との戦いです!
いろいろと決勝の展望を考えましたが、スペインやイングランドが全然違うフォーメーションや立ち位置(多分それは無いと思う)にしたら一気に展望は崩れるので、書いた自分で言うのもなんですが「何とも言えない気持ち」なのです(笑)
大会前に優勝予想していたイングランドを応援はしますが、結果はどうであれ楽しめることかと思います。では、ユーロの決勝戦を楽しんでまいります。
決勝の感想もまた書きたいと思います。
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